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私たちが今求めている「本当の楽しさ」とは何か〜消費と遊びの関係から考える〜|オープンlabレポート(Mar,2023)

「生き方開発lab」は、自分らしく新しい生き方を創造するためのlabコミュニティです。2022年度は、「遊ぶと働くの未来」「オルタナティヴ家族」「オルタナティヴ宗教」という3つのテーマで、それぞれの新しい形を模索しています。

3月25日、東京・中野にある生き方開発labの拠点で、「オープンlab」が開催されました。参加者は20名超。研究開発を担当するlabフェローや、それを支える仲間であるlabメンバー、興味がある方、どなたでも参加いただける場です。

今回の担当は「遊ぶと働くの未来」開発室。「私たちの求める本当の楽しさとは何か」というテーマで開催されました。


体験から開発のヒントを見つける

遊ぶと働くの未来開発室では、前回のオープンlab以降、余暇(遊び)の可能性について調べていました。その一環で体験から開発のヒントを得ようと1月末にディズニーランドへ行っていました。

今回はこの体験で感じたこと、遊びと消費の関係について調査した内容を共有し、参加者同士で話し合いました。当日のスケジュールは↓です。

【当日のスケジュール】
1)開会&趣旨説明発表①|ディズニーランド体験レポート
2)グループトーク「あなたの最近の余暇(遊び)の使い方は?良い所とイマイチな所はなんですか?」
3)発表②|消費社会の成立と変化
4)グループトーク「あなたの最近の余暇(遊び)はどんな欲望(願い)に基づいていると思いますか?」
5)発表③|遊びと消費と自由の関係
6)グループトーク「あなたが自由でいられる時はどんな時ですか?」
7)全体シェア
8)クロージング

完成された遊びの楽しさと違和感

まず最初に紹介したのは「ディズニーランド体験」です。
アメリカで誕生、1983年日本に輸入された東京ディズニーランドがどんな特徴を持っているか、実際に自分たちで行ってきた時の様子と所感を紹介しました。

発表は開発室フェローの佐竹から

発表のポイントは、「ディズニーランドはとても楽しいけど、自分たちにとっては楽しみきれない瞬間があった。これは一体なんだろうか?」ということでした。

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発表後のグループトークでは「あなたの最近の余暇(遊び)の使い方」をテーマに話しました。「友達と遊びに行く」「仕事以外の時間は家族と過ごすので余暇はない」「そもそも仕事と余暇の区別がない」といった話から「何もしないで過ごすとダメな過ごし方な気がしてしまう」「遊んだことが別のことに繋がっていないことが気になる」というの余暇(遊び)で気になることも話し合いました。

グループトークの様子

欲望を次々と生み出す消費社会

次に開発室から紹介したのは「消費社会の成立と変化」です。
ディズニーランドがこれだけ日本に受け入れられた背景には、戦後の日本社会が消費社会として成立と進化してきたからだと考え、開発室で調べたことを紹介しました。

発表は開発室フェローの中川から

ここでの発表のポイントは、消費社会では、国家・企業・マスメディアからの刺激を受けて欲望を呼び起こされていること、欲望に基づく消費は今ではアイデンティティを形成することにつながっていることでした。戦後は豊かな生活を実現するための物の消費だけでしたが、今やあらゆるサービス、時間が消費の対象になり、その中で余暇(遊び)も消費化していったのです。


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発表の後には「あなたの最近の余暇(遊び)の使い方はどんな欲望(願い)に基づいているか」について話し合いました。参加者の皆さんの余暇(遊び)は様々でしたが、その根底にある願いは「人と交流したい」「新しいものを知りたい」などの共通点があることが印象的でした。

グループトークの様子

私たちの感じている自由の正体

開発室から最後に紹介したのが「遊びと消費と自由の関係」についてです。
消費社会について調べていくうちに、この変化の内側には「自由」の問題が隠れていることがわかりました。


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自由には消極的自由と積極的自由があると言われています。高度な消費社会では消極的自由のみが広がり、もう一方の積極的自由は弱くなっているのではないか、そして積極的自由を立ち上げるための場や取り組みを生み出すことが新しい余暇(遊び)の開発につながるのではないかという話を開発室からしました。

最後のグループトークとして「あなたが自由だと感じられるときはどんなときですか?」というテーマで話し合い、全体で各グループの様子を紹介し合いました。

まとめ|あなたは今どんな自由を感じていますか?

余暇(遊び)の新しい在り方を見つけていくため、体験や調査をした結果、行き着いたのが「自由」の問題でした。

「あなたの好き(自由)にしていいよ」と言われると戸惑う人が多いように、私たちは自由を求めつつも、自分にとっての自由、自由な自分を実は捉え切れてはいないではないでしょうか。

今回までの基礎研究とイベントでの発表を終え、自分らしい新しい生き方開発につながる遊び(余暇)を見出すには、「何で遊ぶと楽しいか?」ではなく「誰と遊ぶと自由でいられるか?」という問いを立てた方がいいと感じています。

今回は遊びの文脈で取り上げましたが、自由の問題は生き方全体に関わるテーマであり、今後研究開発でも取り組んでいきたいです。


告知|4月の生き方開発lab

次回のオープンlabは4月22日(土)開催

「AI時代の私たち人間の役割と責任」をテーマに開催します。
今ChatGPTというAIチャットサービスが話題になっています。インターネットの膨大な情報を学習し、人間のようにあらゆる質問に答えてくれるこのAIの登場によって色々な変化が予想されています。今回のオープンlabでは、AIが社会に本格的に導入していく中で、どんな変化がおきるのか、自分らしい生き方を作る上でどんなことが大切になってくるのかなどを話したいと思っています。詳細・お申し込みは以下の告知ページをご覧ください

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