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AI時代到来!私たち人間の役割と責任|オープンlabレポート(Apr,2023)

「生き方開発lab」は、自分らしく新しい生き方を創造するためのlabコミュニティです。2022年度は、「遊ぶと働くの未来」「オルタナティヴ家族」「オルタナティヴ宗教」という3つのテーマで、それぞれの新しい形を模索しています。

4月22日、東京・中野にある生き方開発labの拠点で、「オープンlab」が開催されました。参加者は20名超。研究開発を担当するlabフェローや、それを支える仲間であるlabメンバー、興味がある方、どなたでも参加いただける場です。

今回は「AI時代到来!私たち人間の役割と責任」というテーマで開催されました。


ChatGPTとは何か

まずは最近話題のAI、ChatGPTがどんなものなのか、その仕組みを含めて調べたことを紹介しました。

発表を担当したのは中川

ChatGPTは、大量のテキストデータを取り込んで人間らしい言葉の組み合わせ方を学習したAIです。驚くほど人間らしい回答を出力しますが、それはAI自身が「考えた」のではなく、インプットされた膨大な言葉、文章のデータから最も最適な文字、文章の組み合わせを出力しています。

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ChatGPTは大学で出題される試験やレポート課題も合格ラインに達するレベルで回答できると言われています。また、小説の執筆など、クリエイティブな活用も試みられています。今後はGoogleの独占市場だった検索という分野にも変化が訪れることも期待されています。

AIの台頭と人間社会への影響

次にAIの登場による人間への影響について紹介しました。AIの登場で人間の
仕事が奪われるという説の始まりは、2014年の「雇用の未来」という論文でした。

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この論文では米国にある職業のうち、10年後に人間がAIに奪われる仕事をランキング化しています。実際この10年間で、小売店などのレジの無人化(ロボット化)や問い合わせのロボット化は進んでおり当時予想された未来が確実に近づいています。

発表ごとにグループに分かれて話しました

また、ビッグデータの解析が可能になり、センサー技術も向上したことで
人間の感覚が担っていたとされる医療現場における診断や診察についても
AIやロボットが実施していく技術の開発は進んでいます。

人間の役割と抱える課題

最後に、これらのAIの台頭に対して人間の役割と課題は何なのかを自分たちの視点で紹介しました。

発表を担当したのは長田

AIのできることを知った上で、人間ができることは何か。この時間では「考える」「感じる」ということを挙げました。そして、この人間がやっていることのうち「感じる」は現代ではかなり抑え込まれているのではないかという問題意識も共有しました。

次に、なぜ私たちは「感じる」を抑えるようになったのか。その背景として近代化によって個人が没人格化した問題について紹介しました。
これは、マックス・ウェーバーが提唱した近代化の問題点で、社会学者の宮台真司さんが「言葉の自動機械・法の奴隷・損得マシーン」という言葉で問題提起している話です。

近代化の中で、私たちは、宗教や自然を通して共有してきた抽象的な価値を共有できなくなりました。その代わりに合理性を重視し、合理的であるために執拗に言葉を繰り返すようになった、それが没人格化した個人であり、言葉の自動機械になった個人なのです。

各発表後には、参加者同士で「ChatGPTに初めて触れたとき、どう思ったか」「AIの台頭について心配すること」、AIと人間の役割を踏まえて、「あなたはどんな風に生きていきたいか?AIとの共存は?」をテーマにお互いの考えを話し合いました。

まとめ|「どう生きていきたいか」から始める

今回AIの仕組みや社会の動きを調べてみると、AIの台頭は避けられないことを改めて実感しました。だからこそ、状況にどう適応するかではなく、「私がどう生きていきたいのか」を軸として持つことが必要と感じました。

これには普段の生活の場面から自分自身がどう感じているのかを見つめることが必要です。生き方開発labの取り組みもそんな日常を創ることにつながる取り組みとして続けていきます。


告知|5月の生き方開発lab

次回のオープンlabは5月21日(日)開催

オルタナティブ家族の可能性を探るためのヒントとして「親密圏」をテーマに開催します。

「親密圏」とは血縁や婚姻に依らない家族的関係のことを指します。近代社会の家族は血のつながりが重要視され、結婚することで家族になるとされています。一方でこの在り方に居心地の悪さを覚える人も多いはずです。今回はこうした近代の家族像を批判的に捉え、提唱されている考え方を通して新しい家族の形について考えたいと思います。
詳細・お申し込みは以下の告知ページをご覧ください

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