信仰って何だ?|オープンlabレポート(Jun,2023)
「生き方開発lab」は、自分らしく新しい生き方を創造するためのlabコミュニティです。2022年度は、「遊ぶと働くの未来」「オルタナティヴ家族」「オルタナティヴ宗教」という3つのテーマで、それぞれの新しい形を模索しています。
6月25日、生き方開発labではオープンlab(※)を開催しました!
今回のテーマは「信仰って何だ?無宗教の立場から考える信じる力」です。
オルタナティヴ宗教開発室の研究内容の発表後に、参加した皆さんとテーマについて語りました。
正解のない問いではありますが、それぞれの思う「信仰」について深め、現代を生きるための信じる力とは何かをじっくり考えました。
私たちは「社会の常識」や「科学的な根拠」を盲信していないだろうか?
信仰というと、どこかの宗教に入信している人が持つものという印象がありますが、無宗教の人たちでも何かしらは「信じて」います。
神や自然を対象とした信仰がないのだとしたら、一体私たちは何を信じて現代を生きているのでしょうか?
宗教に代わり世の中で力を持ったものといえば「お金/資本」と「科学/根拠」といったところでしょうか。
そんな考察から、今回のオープンlabでは
・宗教と社会
・宗教と科学
という2つの切り口から調査をし、信仰とは何かについて迫りました。
宗教と社会
宗教の根っこにあるものは、信仰や精神的な支えだったとしても、社会的なこと、世俗の仕事というものもこなさなければ、この世では成立しません。
資本主義の中で生きる私たちは、資本主義社会だからこそ生じる様々な苦しみを抱えています。
しかし、そこからの救いを差し伸べる宗教団体もまた、同じ資本主義システムに組み込まれていないと存在できないのです。
宗教は資本主義をどう取り入れ、どう関係してきたのか、歴史を遡り発表しました。そして、資本主義社会でどう豊かに生きるのかという視点で、「贈与」の考え方もシェアしました。
金銭的な価値に還元できない大切なものを、どう手に入れることが出来るのか、贈与のシステムによって「モノ」としての存在を超えることができ、等価交換を前提とした市場経済の「すきま」を埋めていく作業を通して、健全な資本主義を生きることができるというものです。
宗教と科学
科学は宗教とは対立するものだと、一般的には思われています。科学的な証明によって、聖書に書かれていることの矛盾がわかってきたことが、そう思われている大きな要因かと思われます。しかし、実は、自然科学はキリスト教文明のもとでのみ発展してきたのです。
一神教の世界観、そして神への信仰こそが原点となり、「神のつくったこの世界を知りたい」という欲求から、科学者たちは様々な仮説や哲学を動員して、この世界で起こる現象の謎に迫っていったのです。
原発事故やコロナなど、未知の状況に陥ったときに、私たちはつい科学的な根拠を求めました。しかし、科学の発展も初めは誰かの仮説であり、それは今では当たり前のことのように見えますが、何を信じるかは本当のところは自分次第です。
そんな、科学者たちの神に対する考え、そしてその時代の出来事なども合わせて紹介しました。歴史上の偉人も一人の人間であり、そこには葛藤や社会の壁もありました。
人間の「信じる力」について考える
宗教と科学者の歴史のほかにも、さらに信仰とは何かに迫るため、心理学の観点からも探ってみました。
信仰とは人間の内面にあるものであり、仮に同じ宗教に属していたとしても、信仰心は一人ひとり違うものだからです。
違う宗教観をもつ西洋と東洋では、どのような意識の違いが見られるのか、そして科学の対象でもあり、信仰の対象でもある「自然」とはどういう位置づけにあたるのかを整理しました。
最後には人類の歴史にも触れました。人間は集団になることで生き残ってきた生物です。信じる力があったことで集団がまとまり、社会性・共感性を身につけ結束できたということを話しました。
私たち人間がもつ「信じる力」をどのように使うのか、一人ひとりが考える時代がきているのではないかと思います。
テーマに興味がある方はもちろんですが、自分らしく生きるとはどういうことだろうと模索している人は、ぜひ一度labに遊びにきてみてください!
いろいろな切り口でのインプットや、集まった人との会話と通して、自分や人生について考える機会に、きっとなると思います!
告知|7月の生き方開発lab
次回のオープンlabは7月15日(土)開催
遊ぶと働くの未来開発室の担当で「危険と私の関係〜リスクと共に生きるには〜」をテーマに開催します。
生きている限り「リスク」をゼロにすることはできません。生きることは行動することであり、行動にはなんらかの危険が伴うからです。
今回のオープンlabは、私たちにとって「危険」とは何か、リスクの捉え方を考えることを通して「どう生きるか」を話し合う時間にします。
詳細・お申し込みは以下の告知ページをご覧ください