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みんなでつくる主催者教育

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「主催者教育」という言葉は耳慣れないかもしれませんね。それもそのはず、これから私たちが新たに作り上げていく教育体系だからです。主催者教育は、「主催者」を育てるための教育。主催者と…
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主催者の知恵を集めていこう(対談:主催者教育⑥)

主催者教育の今後について長田:最後に、この先の計画というか、こういうふうにしていこう、っていう話を3人でして終わろうと思います。今日は、主催者になるってどういうことなのか。個人にとってのメリット、そして社会的なメリットを話してきました。資格ビジネスにして儲けるのではなくて(笑)あくまで教育体系としてオープンソース化できたらという話は前からしているわけですが、お二人の思いや具体的な計画のポイントみたいなものもあれば、教えてください。 森:「主催者教育」って言っても、それぞれ出

自治って文化(対談:主催者教育⑤)

森:さっき、長田さんがサラッと言っていた、「自治の話だと思うんだけど」というのはどういう意味なのか、もうちょっと聴かせてもらえませんか。 長田:「自治」ってね、ものすごく簡単に言うと「みんなでやる」っていうことなんですよ。 自治は瀕死の状態長田:「みんなでやろうね」って集まって何かしても、「みんなでできた!」と思えないことってありますよね。誰かから指図されたり、話が変わって「聞いてないよ!」ってなったり、支配構造ができてしまったり。自治のない集団はそうなりがちなんです

万能な場は存在しない(対談:主催者教育④)

主催することの社会的意義長田:主催することの社会的意義との関係。森さんはどう思いますか? 森: 今の話の「怖がらない」みたいなのが、結構大きなポイントかなと思いました。みんな怖がりすぎてるのかも。失敗したらどうしようとか。 安達:「主催する」が、おおごとなんですよね(笑) 森:そう。うまくいかなかったとして世の中の終わりじゃないというか(笑)、ちょっと試行錯誤すればいいだけで。100ぐらいやり方があるから、1でも2でもダメなら3、4、5…で試していけばいい。そんな怖が

場の均質化の問題(対談:主催者教育③)

前回の記事では、終盤に「主催することで内在していたものが出てくる」という話が出てきました。今回はその続きから始まります。 内在しているものが場に現れる森:内在しているものが場に現れるとは、安達さんにとってコモンビートではどんな感じですか? 安達:どうですかねー!「ここは心理的安全性が高い場です」という看板を掲げているわけじゃないけれど、ある程度内在しているものを感じ取っているから自分の気持ちを外に出すことをためらわない人が多いってことに繋がっているとは思うんです。 例え

主催者が一番ご機嫌(対談:主催者教育②)

主催者になるメリットとは?長田:まず主催者になるって何がいいのっていう話をしたいんですよ。主催者になることのメリットや意義ってなんでしょう? 安達:いっぱいある気がしますけど、逆に言うと主催者じゃない場に行ったときのなじまない感がありますね。居酒屋とかの例で言ったら「いや本当はこれが食べたかったのになんでこのコースなんだよ」みたいに。でも、「幹事がそうやって決めたからいっか」ってなると思うんですけど、なんかどっかに違和感を感じてしまう。もちろん話は楽しいんだけど、出てくる

「主催者教育」について私たちが考えたこと(対談:主催者教育①)

あなたは「主催者」の立場を経験したことがありますか? 「主催者教育」という言葉は耳慣れないかもしれませんね。それもそのはず、これから私たちが新たに作り上げていく教育体系だからです。この連載は、その第一歩として、3つのNPOの代表者が集まり対談した記録です。 ひとつの場には「主催者」と「参加者」の2つの立場があります。主催者がその場の趣旨やルールを決め、参加者はそれに従います。これが両者にとって幸せな場合もありますが、「この場は自分に合わない」「ここを居場所だと感じられない